心海の砂煙

もう1個のほうが使えない時用

糸電話は繋がらない

もしもし。聞こえていないのでしょう。
赤い髪の綺麗なお方。
高い背に白い肌の元気なお方。
真っ白なこんな私の、唯一のご友人様。

「ねえアリア。明日ね、エレオノーアすっごく暇なんだよ。」

へえ、と言って笑っている、そんな貴女の笑顔が見たいの。
大声で笑うそんな貴女の、向日葵みたいな笑顔が見たいの。

「じゃあ遊びに来ようか!」

そんなこと言って。約束はしてくれないの?
貴女にとって、明日ってなんなの?
明日って、すぐあしたなのに。

「絵のモデルになってよ。」

だけど全然絵にならないんだよ。
水の入っていない花瓶に、1輪生けられたお花だもの。
かわいそう。

「任せたまえよ!」

無責任。どうして?

「そろそろ世界が赤く染まった。君の美しきベールが映える前に、私はこの大空へと溶けよう!さらばだ!」

うん、ばいばい。
そんなふうに素直に言えれば。


ねえ、空虚な赤い眠り姫。
貴女が居ないのを寂しがってもいいかなあ。