心海の砂煙

もう1個のほうが使えない時用

赤色の呟き

「集まるもんだねえ」
黒い衣服に身を包むかつての同居者達に目を向けた。
もう一人の少女と自分を除いて、彼らは群青色の少女によって集められたと聞く。

懐かしい顔ぶれだ。
そう言うには各々が成長しすぎているような気もするが、それでも変わらない。
強いて言うなら、あの純白な彼の瞳が少し曇ったように見えるくらいだろうか。
「僕にまで声がかからないと良いけどねえ。」
くすくすと笑いながらそう言ったのにも大きな理由がある。
あの火災とそこで死んだ、また生き残った人間達には、まだ僕が完全に僕だった頃に関わってきている。
つまり、それなりの思い入れがある。
だからしらばっくれるのだ。誰と会っても過去はもう忘れるのだ。

僕には僕の復讐がある。

「…だけど、協力をしてあげてもいいよお?」
深すぎる群青、どこまでも果のない白、そして、黒。侵食の黒。
僕はなんだったっけなあ?過去は忘れちゃったんだ。とにかく僕が僕の復讐の合間にする君達との復讐における役割を一方的に置くよ。

"邪魔者の排除"

だって、復讐は被害者だけでやるものだろう?

「はじめまして、桐生孤児院」